作家のロバート・パーカーが亡くなった。
[ニューヨーク 19日 ロイター] ベストセラー探偵小説のスペンサーシリーズで知られる米作家、ロバート・B・パーカー氏が19日、マサチューセッツ州ケンブリッジの自宅で死去した。77歳だった。死因は明らかにされていない。
大学生の頃の友人の勧めで読んだ「約束の地」がとても面白く、それからスペンサーシリーズと付き合い始めてから20年以上、今でも旧作をたまに読み返している。作者のパーカーも77歳にもなっていたのか。
このシリーズ、なぜ僕にとって魅力があるのかはなかなか言葉にするのが難しい。表面的には気の利いた会話や魅力的なキャラクターとその人間関係、性善説に立ったストーリー展開が本シリーズの魅力である。でもシリーズを通じて根底に流れるもの(テーマ?思想?)についてはなかなかぴったりした言葉が見つからない。
パーカーの他の作品、ジェッシィ・ストーン シリーズやサニー・ランドル シリーズも読んでみたが余りのめり込むことはなく、やっぱり僕はパーカーが好きと言うよりスペンサーシリーズが好きだったんだろうな。
そんなスペンサーシリーズも、子どもができてからは新作を全然読んでいなかった。以下はウィキペディアからの転載。
- ゴッドウルフの行方(The Godwulf Manuscript, 1973)菊池光訳、早川書房、1984
- 誘拐(God Save the Child, 1974)菊池訳、ハヤカワ文庫、1989
- 失投(Mortal Stakes, 1975)菊池訳、ハヤカワ文庫、1985
- 約束の地(Promised Land, 1976)菊池光訳、早川書房、1978のち文庫(以下同)
- ユダの山羊(The Judas Goat, 1978)菊池訳、早川、1979
- レイチェル・ウォレスを捜せ(Looking for Rachel Wallace, 1980)菊池訳、早川、1981
- 初秋(Early Autumn, 1980)菊池訳、早川、1982
- 残酷な土地(A Savage Place, 1981)菊池訳、1983
- 儀式(Ceremony, 1982)菊池訳、1984
- 拡がる環(The Widening Gyre, 1983)菊池訳、1984
- 告別(Valediction, 1984)菊池訳、1985
- キャッツキルの鷲(A Catskill Eagle, 1985)菊池訳、1986
- 海馬を馴らす(Taming a Sea Horse, 1986)菊池訳、1987
- 蒼ざめた王たち(Pale Kings and Princes, 1987)菊池訳、1988
- 真紅の歓び(Crimson Joy, 1988)菊池訳、1989
- プレイメイツ(Playmates, 1989)菊池訳、1990
- スターダスト(Stardust, 1990) 菊池訳、1991
- 晩秋(Pastime, 1991)菊池訳、1992
- ダブル・デュースの対決(Double Deuce, 1992)菊池訳、1993
- ペイパー・ドール(Paper Doll, 1993)菊池訳、1994
- 歩く影(Walking Shadow, 1994)菊池訳、1994
- 虚空(Thin Air, 1995)菊池訳、1995
- チャンス(Chance, 1996)菊池訳、1996
- 悪党(Small Vices, 1997)菊池訳、1997
- 突然の災禍(Sudden Mischief, 1998)菊池訳、1998
- 沈黙(Hush Money, 1999)菊池訳、1999
- ハガーマガーを守れ(Hugger Mugger, 2000)菊池訳、2000
- ポットショットの銃弾(Potshot, 2001)菊池訳、2001
- 笑う未亡人(Widow’s Walk, 2002)菊池訳、2002
- 真相(Back Story, 2003)菊池訳、2003
- 背信(Bad Business, 2004)菊池訳、2004
- 冷たい銃声(Cold Service, 2005)菊池訳、2005
- スクール・デイズ(School Days, 2005)加賀山卓朗訳早川書房、2006
- ドリームガール(Hundred-Dollar Baby, 2006)加賀山訳、2007
- 昔日(Now and Then, 2007)加賀山訳、2008
- 灰色の嵐(Rough Weather, 2008)加賀山訳、2009
- プロフェッショナル(The Professional, 2009)加賀山訳、2009
僕が読んだのは1作目から24策目の悪党まで。まだ読んでいない作品が13冊もある。パーカーを偲んで久しぶりに本棚から引っ張り出し、昔の作品と未読の作品を総ざらいしてみようかな。スペンサーにサヨナラを言うのはその後で。
個人的なオススメはやっぱり「ユダの山羊」、ただ相棒ホークとの出会いを描いた「約束の地」と合わせてどうぞ。