JPホーガン死去

SF作家、ジェイムズ・パトリック・ホーガンが亡くなりました。大学時代にデビュー作「星を継ぐもの」を読んで以来、「巨人たちの星」シリーズ(星を継ぐもの、ガニメデの優しい巨人、巨人たちの星、内なる宇宙)は今でも繰り返し読んでいる私の中のヘビーローテーション作品です。

近作は全然読んでいないので、ホーガンについて語るのはおこがましい限りですが「巨人たちの星」の魅力をツラツラと。

  • 奇想天外な課題設定
  • 魅力的な登場人物
  • 課題を科学的な解釈で破綻無く解決(あくまでもSFという範囲内で)
  • 次の展開が気になってしょうがない上質なサスペンス
  • 楽天的な語り口
  • 最後はハッピーエンディング

個人的にはホーガンの「巨人たちの星」シリーズの本質は謎解きのサスペンス小説で、その謎解き部分がサイエンスフィクション的に解決されていく作品、と捕らえています。なのでSFに関心ない人でもサスペンス小説が好きな人には手放しでお勧めできる作品です。

まずは1作目の「星を継ぐもの」を読んでみてください。サスペンス好きならあっという間に引き込まれること請け合いです。

ワーナーがBDを値下げ

ワーナーがBlu-rayの価格を改定した。今後、新作はDB+DVDのセットで3,980円、準新作以降のBDは2,500円で販売されるそうだ。先日発売されたSPEの2012(BD+DVDセット)は実勢価格が3,000円を切る価格、またSPEの2,500円の旧作は2,000円程度で売られているので、新作のBD+DVDセットは3,000円、準新作以降の作品は2,000円というのがデフォルトの実勢価格になりそう。この程度の価格であれば、買う時に「BDは高いからDVDでいいか」とか悩むことはなくなりそうだ。

ワーナーのリストを見て気になった作品

  • チャーリーとチョコレート工場(DVD持ってる)
  • ティム・バートンのコープスブライド(テレビで途中まで見た)
  • スペース カウボーイ(レンタルで観た記憶はある)
  • ブレードランナー ファイナル・カット 製作25周年記念エディション (2枚組)(学生時代以降観てないなぁ)
  • ソードフィッシュ(DVD持ってる)
  • ダークナイト (2枚組)(レンタルで観た)
  • フルメタル・ジャケット(DVD持ってる)
  • シャイニング(レンタルで観た記憶はある)

悩ましいのはDVD持っているけど、BDでも観てみたい作品群ですね。


地震でビルや高速道路が崩壊していく中、リムジンで逃げ惑うシーンは圧巻

ロバート・B・パーカーの死去

作家のロバート・パーカーが亡くなった。

[ニューヨーク 19日 ロイター] ベストセラー探偵小説のスペンサーシリーズで知られる米作家、ロバート・B・パーカー氏が19日、マサチューセッツ州ケンブリッジの自宅で死去した。77歳だった。死因は明らかにされていない。

大学生の頃の友人の勧めで読んだ「約束の地」がとても面白く、それからスペンサーシリーズと付き合い始めてから20年以上、今でも旧作をたまに読み返している。作者のパーカーも77歳にもなっていたのか。

このシリーズ、なぜ僕にとって魅力があるのかはなかなか言葉にするのが難しい。表面的には気の利いた会話や魅力的なキャラクターとその人間関係、性善説に立ったストーリー展開が本シリーズの魅力である。でもシリーズを通じて根底に流れるもの(テーマ?思想?)についてはなかなかぴったりした言葉が見つからない。

パーカーの他の作品、ジェッシィ・ストーン シリーズやサニー・ランドル シリーズも読んでみたが余りのめり込むことはなく、やっぱり僕はパーカーが好きと言うよりスペンサーシリーズが好きだったんだろうな。

そんなスペンサーシリーズも、子どもができてからは新作を全然読んでいなかった。以下はウィキペディアからの転載。

  1. ゴッドウルフの行方(The Godwulf Manuscript, 1973)菊池光訳、早川書房、1984
  2. 誘拐(God Save the Child, 1974)菊池訳、ハヤカワ文庫、1989
  3. 失投(Mortal Stakes, 1975)菊池訳、ハヤカワ文庫、1985
  4. 約束の地(Promised Land, 1976)菊池光訳、早川書房、1978のち文庫(以下同)
  5. ユダの山羊(The Judas Goat, 1978)菊池訳、早川、1979
  6. レイチェル・ウォレスを捜せ(Looking for Rachel Wallace, 1980)菊池訳、早川、1981
  7. 初秋(Early Autumn, 1980)菊池訳、早川、1982
  8. 残酷な土地(A Savage Place, 1981)菊池訳、1983
  9. 儀式(Ceremony, 1982)菊池訳、1984
  10. 拡がる環(The Widening Gyre, 1983)菊池訳、1984
  11. 告別(Valediction, 1984)菊池訳、1985
  12. キャッツキルの鷲(A Catskill Eagle, 1985)菊池訳、1986
  13. 海馬を馴らす(Taming a Sea Horse, 1986)菊池訳、1987
  14. 蒼ざめた王たち(Pale Kings and Princes, 1987)菊池訳、1988
  15. 真紅の歓び(Crimson Joy, 1988)菊池訳、1989
  16. プレイメイツ(Playmates, 1989)菊池訳、1990
  17. スターダスト(Stardust, 1990) 菊池訳、1991
  18. 晩秋(Pastime, 1991)菊池訳、1992
  19. ダブル・デュースの対決(Double Deuce, 1992)菊池訳、1993
  20. ペイパー・ドール(Paper Doll, 1993)菊池訳、1994
  21. 歩く影(Walking Shadow, 1994)菊池訳、1994
  22. 虚空(Thin Air, 1995)菊池訳、1995
  23. チャンス(Chance, 1996)菊池訳、1996
  24. 悪党(Small Vices, 1997)菊池訳、1997
  25. 突然の災禍(Sudden Mischief, 1998)菊池訳、1998
  26. 沈黙(Hush Money, 1999)菊池訳、1999
  27. ハガーマガーを守れ(Hugger Mugger, 2000)菊池訳、2000
  28. ポットショットの銃弾(Potshot, 2001)菊池訳、2001
  29. 笑う未亡人(Widow’s Walk, 2002)菊池訳、2002
  30. 真相(Back Story, 2003)菊池訳、2003
  31. 背信(Bad Business, 2004)菊池訳、2004
  32. 冷たい銃声(Cold Service, 2005)菊池訳、2005
  33. スクール・デイズ(School Days, 2005)加賀山卓朗訳早川書房、2006
  34. ドリームガール(Hundred-Dollar Baby, 2006)加賀山訳、2007
  35. 昔日(Now and Then, 2007)加賀山訳、2008
  36. 灰色の嵐(Rough Weather, 2008)加賀山訳、2009
  37. プロフェッショナル(The Professional, 2009)加賀山訳、2009

僕が読んだのは1作目から24策目の悪党まで。まだ読んでいない作品が13冊もある。パーカーを偲んで久しぶりに本棚から引っ張り出し、昔の作品と未読の作品を総ざらいしてみようかな。スペンサーにサヨナラを言うのはその後で。

個人的なオススメはやっぱり「ユダの山羊」、ただ相棒ホークとの出会いを描いた「約束の地」と合わせてどうぞ。